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漢の戦い!でごわす。

04 18, 2018 | Posted in 18日 鹿児島・松田康司

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鹿児島県本土の海より錦江湾や南さつまの海の情報をお届け致します。

現在の鹿児島は陸は半袖短パンで快適気温25℃、でも海中はまだまだ水温18℃前後と暑かったり寒かったりとスーツの衣替えが一番難しい時期でもあります。

そんな折、海中では水温の上昇に合わせて漢達の熱い戦いが始まっております。
DSC_4795.jpg
テンクロスジギンポのディスプレイ。

ミナミギンポと並ぶニコヤカ系ギンポですが。
ここまで微笑んで相手を威嚇するのもどんなものでしょう(笑)
何このふんわり系なバトル〜!!!と思いきや・・・・・・
DSC_4791.jpg
目にも止まらぬ速さで相手に攻撃を仕掛けます!!!!
でも!!!笑顔を忘れない!!!!!

口角をあげニコリと♪尚且つ相手をいたぶる!!

笑顔にばかり気を取られていましたが、大きく胸ビレや背びれを開いている方が先住者で、このオスの巣穴を奪おうと現れたオスとの壮絶な戦いは笑顔の5分間程続きます。

それにしても笑顔もさることながら美しい色彩にも見とれてしまいます。
DSC_4799.jpg


笑顔と美しさを兼ね備えた熱い漢達の戦い!是非皆様にもご覧いただきたい。
いつも見かける普通種も見応えたっぷりな瞬間をお見逃しなく!
DSC_4874 2

ダテハゼも超がつくほどの普通種ですが、巣穴を賭して戦うその様は・・・・・・「え?これがダテハゼ?」と見紛う程です。

美しくも懸命な彼らのその後も合わせてお楽しみに〜

ドロメに迫る!の巻

03 18, 2018 | Posted in 18日 鹿児島・松田康司

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鹿児島県本土の海より皆様おやっとさぁ〜(お疲れ様です)松田がお送りします。

数年前からドロメの生態が気になり産卵床がどこにあるのか、春の海藻の森をかき分け岩盤の隙間や海藻が海底に積もる様な環境を覗いて探すもどのような環境に卵を産み付けるのかおおよその想像はしているものの謎のままだったのです。

毎年のように浮遊期の幼魚だけがチョロチョロと春に出始め2月から3月上旬が生態行動のピークだと確信し、今年は闇雲に「探す」のではなく成魚の動きをよく見てエリアを絞ろうと年明けから観察を続けた結果。

オスだけが多いエリアとメスだけが多いエリアを発見したのです。
それらのエリアから産卵期になるとどちらかが相手のエリアに赴き求愛や産卵を行うだろうと思ったのです。

DSC_3661.jpg

そこで、産卵間近にもかかわらずメスはメスだけのエリアから出ようとしません。
写真の様に産卵管が飛び出し模擬産卵でもするかの様に体をクネクネさせる様な動作も見かける様になったのです。

それでもやはりオスの求愛や産卵床への誘い込みや産卵まで見る事はかないませんでした。
それが、つい先日やはりメスが多いエリアにて卵保護をするオスとハッチアウト間近の卵を見つけたのです。

DSC_4372.jpg
ご覧の様に地味でゲストに紹介しても中々喜んでいただける事は少ないのですが(笑)僕は最高に渋い魚だと思うのですよ〜それと同時になんて俺は渋いんだ!と謎の興奮と高揚感に包まれ、この時は予想だにしない長期の孤独と寒さに耐える定点観察へと誘われるのでした。


発見時の3月11日14時から15日7時までに合計約40時間に及ぶ潜水を水深1.5m水温15℃で行い観察を続けました。
ブログで全てを綴るのは難しいですが少し紹介させていただきます。
DSC_4355.jpg

オスの卵保護は昼夜問わずに新鮮な海水を卵に送るために各鰭を常時動かし続けます。
しかし、昼の動きと日暮れ以降(夜)の動きは明確に異なり寝ぼけながらも鰭をハタハタと動かすのです。

ヤドカリや貝など卵を食べようと近づく存在もあり卵の世話と保護にオスは追われるわけです。
そして、発見時から48時間以内に孵化に至るとの読みが外れ、さらに数日延びた大きな要因は私の経験不足もさることながら低水温があったのです。
その分オスは長期にわたり卵の保護をしていることもわかりました。(おそらく2〜3週)
DSC_44231.jpg

ハッチアウトのタイミングもいつなのか全くわからないので、今回の様に絶え間なく潜る事になったわけですが・・・・・・
昼間に自然光の下で観察していてもポロポロと出て行く事もあります。
(※必要な場合はFIX NEO 1%~3% 夜間は赤色光1%にて観察)
午後からの観察で見ている限り100匹、午前中は20匹程と差もありました。

これらの事から午後!!しかも夜は寝る事も分かってきていたので!!!ズバリ〜夕暮れが彼らの一斉に孵化する瞬間だろうと予測したのです。
最終日となる日、午前2時にエントリー1時間の観察を終え「やはり寝ているオス」を確認。
次に午前5時に日の出1時間以上前にエントリー・・・・・・・・エントリーした瞬間目の前にチラチラと仔魚達が〜〜〜声にならない悲鳴をあげながら巣穴を覗くと!!!!
9割8分の卵がハッチアウト済み(号泣)朝だったんかぁぁい〜〜

ドロメのハッチアウトは3時〜5時の間が濃厚!という事が今回の最低限にして最高の収穫となりました。
また、卵の成長過程も数時間ごとに撮影し見比べる事で迫る孵化の時間もより正確に判明しそうです。
※もちろん上記の時間の限りではなく、今回の観察を通して成熟した卵から順次孵化する様な場面も多々見られましたので保護するオスのさじ加減もあるかもしれません。
この様な積み重ねで様々な生態は明らかにされていくものと思いますが・・・・・・悔しい!!!一斉に飛び出す仔魚とヨボヨボになりながら見送るオスを一緒に撮りたかったし見たかった。
DSC_44511 2

ちょっぴり朝日が眩しくて目から塩っぱい汗が(号泣)
錦江湾に浮く沖小島と朝日に浮かぶ三日月。

砂地での攻防

02 18, 2018 | Posted in 18日 鹿児島・松田康司

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鹿児島県本土の海より松田がお送りします。

やっとこさ寒さの峠を越えた様な陽気が続く鹿児島です。
水温は例年通りなのに例年に比べ早く登場する生物もおり、今年は何か海中はせわしない印象です。
そんな折り南さつまの海では「カワハギ」の生態行動が始まりました。

DSC_5038.jpg

縄張りをかけてのオス同士の闘争。
2月の後半に見るのも初めての事です。

互いの尾びれを追いかけ合う様にクルクルと戦いの螺旋を描き上昇して行きます。
この日は活性が悪いのか1m程の上昇を何回か繰り返し引き分け。

多いときは5m程の上昇を何度も何度も繰り返す漢の戦いを展開するものも。

この様にオスの縄張り争いが始まると産卵床作りや求愛・産卵と生態は繋がって行きます。

DSC_5150.jpg

産卵床を作るメス。
砂に水を吹きかけ、砂をほぐし産卵の際に卵を砂に混ぜ込みやすくさせる様です。

この産卵床は直径30cm程の円形で、その範囲をまんべんなくほぐしていきます。

DSC_5147.jpg

ふとオスが近づいてきてヒレを広げ求愛を始めました!!!!
メスは体色を変化させ、体の側面に黒い2つの大きめの斑点が出ます。

おっ!!
このまま産卵までこぎつけるか?と思った矢先に別のオスが邪魔しに・・・・・・
この時は産卵までは見れずにゲストとこの場を去りました。

昼間にこれらの行動を見れますし、例年通りなら鹿児島では6月までご案内しております。
普通種のカワハギですが彼らの熱い戦いや産卵床作成!そして産卵まで楽しませていただきましょう〜。
DSC_83331.jpg

↑昨年の写真ではありますが、あなたの気付かないすぐ後ろでも螺旋の戦いが勃発しているかも?

一番のモテ男

01 18, 2018 | Posted in 18日 鹿児島・松田康司

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鹿児島県本土の海より松田でゴワス。
今年初めての記事ということで2018年も皆様どうぞよろしくお願いいたします。

新年を迎えるにあたって何か目標を立てねば!と思い立ちまして。
この1月は「アカササノハベラ」の産卵を撮る!と決めました。

日々の南さつまエリアでのガイド中に、昨年より気になっていたいくつかのオスの個体をそれぞれの縄張りで観察し、1番効率よくメスとの産卵までこぎつけるモテ男を選抜しました。

DSC_3445.jpg

写真は上昇から産卵を終えた瞬間。

産卵に至るまでにも求愛や他のオスとの闘争など見所は沢山あります。
この冬、刹那の愛とそれまでの道のりから目が離せません。

さて、1月も後半に突入し錦江湾のアマモ場やガラモ場も急成長中です。
DSC_3576.jpg

冬の弱々しい日差しも水面に浮かぶシオミドロから差し込めば緑のフィルターになって清々しい空間になります。
水面も海底も海草だらけになると鹿児島ではいよいよ陸は桜の咲く頃でしょう。
DSC_43021.jpg

錦江湾に群生するセダカイソギンチャクも緑の中で撮ると森に生えるキノコのように見えます。

いよいよ鹿児島の海「緑の錦江湾」と「青の南さつま」の冬がスタートです。

DSC_32511.jpg

今年初冠雪した桜島。
やはり鹿児島のシンボル桜島は雪化粧がカッコイイのでした。

小学生の時の校歌が・・・・・・「錦江湾のさざ波に心を磨き知恵を練り〜♪」だったのですが、今でもこの光景を見ながら毎日教訓に海に向かっています。
はじめて錦江湾にお越しの方には歌って差し上げますね(笑)

最後まで驚きの海に

12 18, 2017 | Posted in 18日 鹿児島・松田康司

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こんばんは、鹿児島の海より松田です。

鹿児島でもこの冬初めての雪が「一瞬」だけ降りました(笑)
海の方も潮流の影響で2〜3℃程週替わりで変動し、高いときは例年より高水温を維持しております。

そんな環境下でこの12月に初めての産卵を確認する事ができました。
水温が下がるとやめてしまうと思っていた「イロカエルアンコウ」の産卵です。

DSC_0733.jpg

12月に入り、産卵する数日前にはメスのお腹はパンパンに!
それでも秘伝の「3日待機」がミソでして仮にオスとメスが手繋ぎラブラブしようとも中々その日に産卵してはくれません。

※待機する日数はメスの栄養状態や水温にもより、随時観察が必要です。

今回はオスが昼間にメスのお腹を胸ビレでムニョムニョ押し、マッサージする様な仕草も確認できた事から、12月に!この20℃以下の水温で「産卵する!」と確信しました。

やはり、日の入りが早いこの時期夏よりも随分とはやく産卵に至りました。
DSC_0737.jpg
(写真は以前のものです)

フラフラと泳ぎだす2匹。
オスがメスを下から抱える様に泳ぎ1mくらいの上昇の後放精放卵します。

卵は帯状でクルクルとクロワッサンの様な形をしています。
形状記憶合金の様に触ってもまた同じ形にクルクルと戻るのでした。

今年から同じ場所で毎月産卵してくれていたこのペア、もしかしたら栄養状態が良く継続的な産卵に至ったのか水温が例年より少し高い事が影響したのか、そもそも冬でもやるものなのか来月!いや新年から楽しみが増えます。

DSC_2544.jpg

今日の錦江湾より、水深40mのイソバナの群生。
暗黒の錦江湾でクリスマスっぽいのを探したらなぜかこれに行き着きました・・・・・・
DSC_2597.jpg
冬の沈む太陽、西日とまではいきませんが海中を黄色に染め冷たいはずの海中を暖色に彩り少し暖かい気持ちになれます。
2017年も半年ではありますが「ガイド会」ブログを書かせていただきました。
これからお会いできるやもしれぬダイバーの皆様にも、ガイド会の先輩方にも恥ずかしくないガイドになれるよう頑張ります。

2017年もありがとうございます。また来年もよろしくお願いいたします。

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