アカウミガメの孵化と試練

08 24, 2012 | Posted in 24日 鹿児島/屋久島・高久 至

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遂に台風がやって来ました。それも大型!
しかし良いタイミングだったかもしれません。
今年の夏は水温が異様に高く30℃を超えることもしばしば、気がつくと先月紹介したオオハナガタサンゴの群落は白化が進んでいてこれ以上進行すると危ないという状況です。
なのでここいらで台風に海の水を攪拌してもらう必要がありそうです。
それに夏ばて知らず?の僕も随分とお疲れのようでそろそろ休みたい病にかかっていたところです(笑)
番田さんすいません。結講軟弱者だったようです。。。

さて話は変わって屋久島と言う島ですが、皆さんのご想像通り山(縄文杉)の島です!
夏はお陰様で忙しく働かせて頂いていますが、山には海の何十倍(何百倍)の人たちが訪れます。
そして海と言えばダイビングではなくて、アカウミガメの産卵上陸数日本一と言うことで有名なんです。
ダイビングはまだまだマイナーなんですね。屋久島では。。。

今回はそのアカウミガメについてです。8月は孵化のピークで今年も多くの小亀が大海原へ旅立っています。
しかしそこには一筋縄ではいかない様々な試練や災難が待ち構えているのです。

08c.jpg
写真は漁港に迷い込んでしまった小亀。
この場所では強い東よりの風が吹くと小亀たちが漁港に大量に入り込んでしまいます。
これは毎年見られる風物詩のようなものともなっていますが、小亀にとっては致命的なことです。
八丈島の幸太郎さんも書かれていたように孵化した小亀は海へ出ると一心不乱に沖を目指して泳ぎます。
そして外洋に浮かぶ流れ藻までたどり着くと、それは絶好の隠れ家となり餌も食べられるようです。
そうなるとそのカメの将来は明るいようですが、この外洋の流れ藻にたどり着けるのはほんの数%と言われています。
孵化した小亀にパワーがみなぎり沖合いへ全力で泳いでいけるのはほんの僅かな期間だけです。
この期間にたった一日でも漁港に留まってしまったならそのカメの将来は絶望的に暗いと思っています。
毎年この小亀たちを見つけては外の海へ逃がしてやっていますが、その亀が今も元気にしているとは到底思えないのです。。。
でも、頑張れよ~!!


08b.jpg
こちらは砂浜に落ちていた小亀の亡き骸です。
良く見るとカラスに食べられたようでお腹に穴が空いていました。
これも屋久島では日常的に見られることなので驚かないし、また一つの自然だと思うので写真に収めようとカメラを向けました。
そしたら、この穴あきの小亀がパタパタと動き出したではないですか。。。近くを見ると他にも同じような小亀がいました。
自然界とは残酷なものだと思いながら写真を撮っていましたが、夕日に照らし出されれた瀕死の小亀は美しく感動している自分に気がつきました。
瀕死のカメを見て感動している僕もまた残酷な生き物だな、、、と。
でも確かに美しい光景だったんですよ。。。



08a.jpg
また台風が来ると砂浜は削られ孵化する前の卵が散乱します。
そうなると卵はカラスや小動物たちに襲われてしまい孵化することはありません。
中には写真のように孵化寸前で運悪く砂浜に露出してしまう者もいます。
何でカメはもっと遠くまで上陸して卵を産まないんだろう?と思うこともあるのですがきっと何か意味があることなんでしょうね。


そして他のウミガメの産卵地の例に漏れず屋久島でも熱心な保護活動が行われています。
なんて素晴らしいことだろう。めでたしめでたし。
で終わりたいのですが、この保護と言うものは非常に難しく、現行の保護活動に関して僕は非常に懐疑的なのです。
アカウミガメの保護には賛成なんだけどその保護のあり方にはもう少し深い考察が必要だと常々感じています。
人間の都合にあわせた保護ではなく、ウミガメの生態を熟知し考慮したうえでの保護が必要なのではないだろうか。
このようなことを書いてお前は何様だと言われたこともあるのですが、それを承知の上であえて書かせて頂きました。
アカウミガメの調査は僕のライフワークの一つとなっているのですが、近いうちに一つの形にしたいと思っています。


08.jpg
なんだか思い写真や文章なので最後くらいは明るい写真で終わらせてください(笑)
頑張れよ~!!



明日はサイパンより矢内さんです!



高久 至 TAKAKU ITARU
「屋久島ダイビングライフ」

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