国内の先陣を切って・・・

01 22, 2015 | Posted in 22日 石垣島・多羅尾拓也

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こんにちは、石垣島から多羅尾がお届けします。

年が明けて寒さもピークになるころ、八重山地方では国内の先陣を切ってコブシメの産卵が始まります。
実は11月頃からコブシメの産卵は始まっているのですが、いわゆるダイビングポイントで産卵が見られるのは今頃からなんです。
国内で見られるコウイカの仲間では最大の大きさになるコブシメの産卵行動は、迫力があり、時には人間模様のよなドラマも見せてくれます。

これからこのコブシメ産卵前線が八重山〜沖縄本島〜奄美〜屋久島へと北上していきます。
石垣島ではそろそろコブシメが産卵する頃なのですが、 ブリーフィングではこれら一連の流れを「写真」ではなく、あえて(下手な(笑))イラストに書いて説明しています。
想像してもらってから実際に見た方が楽しいと思うので、このブログでもあえてイラストでご紹介しますね。


卵を産むのはメスです。
オスとメスの見分け方は簡単。 体の模様が違います。
オスは縞模様、メスは水玉模様です。 大きさもオスのほうが一回り大きいです。
コブシメのオスとメス(イラスト)


そしてコブシメの泳ぎ方、イカやタコの仲間は漏斗(ろうと)と呼ばれる器管があり、口から吸い込んだ海水を「ろうと」から噴射して、その反作用で泳ぎます。
コブシメの漏斗

IMG_0564.jpg
ろうとの向きを変えてどの方向にでも泳げるんです。 すごいですね。
ヒレはバランスを取るためにしか使われません。
IMG_0563.jpg

これを応用して人間が作ったのがマリンジェットですね。

ちなみにイカは(タコも)体色も変化させます。 これを応用して人間が作ったのが液晶画面なんです。 イカってすごいですね。


そして産卵行動。

赤ちゃんを誕生させるには卵の他に精子が必要です。
魚の場合はメスが産んだ卵にオスが精子をかけるのが一般的なのですが、コブシメの場合はオスがメスにあらかじめ「精子を渡す」方法を採っています。 いわゆる「交接」と言う行為です。
こんな感じで・・・
コブシメの交接
これがまたぶちゅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッて感じでめちゃヤらしいんですよね。
この間(約1分)にオスはメスに精子が入ったカプセルのようなものを渡します。

メスはその精子を腕につけた状態で産卵をスタートさせます。

卵はメスのお腹の中にあります。
それを1つづつ出してサンゴや岩の隙間に産み付けていくのですが、、、
どこから卵を出すかというと、、、「ろうと」なんです。
なので、卵を出す時はこんな姿勢になります。
コブシメ・卵出し中
腕を使って、ろうとを覆うようにして大切な卵が落ちてしまわないようにします。
卵を出すのにかかる時間は約1分。実はこの時はコブシメにとって一番無防備で危ない時間なのです。 なぜなら、とうとが泳ぐために機能しないので、何かあっても逃げることが出来ないのです。

そして卵が出たら、ろうとがぴょこんと出てくるので、また泳げるようになります。 しかし、まだ1分ほどは腕を巻いたままにして、その間に腕に付けている精子と受精させます。
コブシメ・受精中
こんな態勢で出した卵を受精させます。

そして受精が完了したら、腕を伸ばして卵を産み付ける場所を探し始めます。サンゴや岩の隙間に産み付けるのですが、どこか良い場所が無いか? 卵を腕の先に持ったまま注意深く探していきます。
IMG_0567.jpg
卵の大きさはピンポン球くらい・・・腕の先に持ってるので、隙間から見えることもあります。

そして良さ気な場所があると・・・
こんな感じでグイグイっと奥を確かめます。
IMG_0568.jpg
大抵一発では決まらないので、何度かチャレンジした後に。。。

良い場所に当たると、その奥に卵を産み付けます。
出てきた腕が開いていたら、産み付け成功〜♪です。
IMG_0569.jpg

これで1サイクル。一粒の卵を産み付けることが出来ました。

メスはお腹の卵が無くなると何日か深場に行って休憩して、卵が出来上がったら再び浅場に来て産卵を再開させます。 そんな感じで1匹のメスが数千粒の卵を産み付けていくのです。

オスはと言うと、、、コブシメの世界は一夫多妻制(^^)なので、強いオスは大変です。 自分の精子を持ったメスを「あぶれオス」から守ったり、別のメスと交接しようとしたり、 場外乱闘よろしく近くで大暴れしてます。

そして産卵中は産卵に一生懸命なので、いつもならダイバーを見ると逃げていってしまうコブシメが、この時は全くダイバーを恐れません。 じっとしていれば数十センチの近さまで近寄ってきますので、色んな角度から写真撮影することも可能です。
IMG_9291-3.jpg

太陽光線の斜光をビシッと出して、黒く逆光にし、ヒレのスケスケの部分だけを綺麗にしたかったのですが・・・
難し〜〜〜。

そんなコブシメも産卵は最後の大イベントなのです。 ほとんどのコブシメは産卵が終わると、その生涯を終えます。 (※ 一部のオスは2年生きるとも言われています)

そんなこんなを知ってから、、是非コブシメの産卵を観察してみてください。
笑いあり涙ありの自然のドラマを満喫できると思います。

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