石垣島より、、サンゴの白化

11 22, 2016 | Posted in 22日 石垣島・多羅尾拓也 | Thema スポーツ » ダイビング

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今年は沖縄から鹿児島まで、、大規模なサンゴの白化現象が確認されたことはニュースでも取り上げられ、ダイバーのみならず、ノンダイバーもご存知の方は多いと思います。
サンゴの白化自体は毎年小規模で発生してはいるのですが、今年ほどの規模の大きさは1998年以来、16年ぶりです。

サンゴの白化とは、、、様々な要因でサンゴに共生する褐虫藻(植物)がサンゴから出ていってしまい、サンゴ本来の色(白)になってしまう現象です。 サンゴは自身が捕食する「食べ物」だけでなく、自らの体内に共生している褐虫藻が光合成によって作り出す栄養分にも依存しており、白化したサンゴはそのまま褐虫藻が戻ってこなければ、一定期間の後、栄養失調によって死んでしまいます。

白化の原因は高水温以外にも農薬や分解されない洗剤成分、塩分濃度、その他のストレスによって起こることがあり、高水温だけが原因とは限らないのですが、今年の白化現象は沖縄近辺に接近する台風が極めて少なく水温31℃以上の状態が2ヶ月以上続いたこととや、白化の始まりがリーフ内や海岸近くの水温が上がりやす場所から始まったことなどから、高水温が原因だったのだろうと思われます。

この夏の白化現象で、石垣島近海のサンゴの約6割が死んだとされています。
ここ石垣島周辺でも、大規模な白化現象が起こり、特に石垣島と西表島の間の石西礁湖と呼ばれるエリアは周りが島やリーフに囲まれており、海水の出入りが多くなく水温が上がりやすい(冬は下がりやすい)傾向にあるため、このエリアのサンゴが一番ダメージを受けたと思われます。

ガイドをして毎日&毎年同じ海に潜っていると、いろいろな現象を観察したり色々なことに気付かされたりします。
今回は毎日潜って観察して、、白化について分かったことや感じたことを・・・自分で見た感覚を大事にしたいので、自分の目で観察したことを書いてみます。


白化したサンゴ↓↓↓
どのように白化していくのだろう??と疑問に思っていたのですが、「先っちょ」から白化していくことが分かりました。
サンゴ


死んでしまったサンゴにはしばらくすると「藻」が生えてきます↓↓↓
死んだサンゴ

この「藻」はブダイにとって大切な食料になります。 10年前に比べてブダイの量は倍ほどに増えたと思います。 サンゴの減少でサンゴに依存する生物は減りましたが、 藻類を食する魚は増えたように感じます。


白化しやすいサンゴ、しにくいサンゴ、、、それは種類によって違いますし、群体によっても違います。

種類によっての場合、、
白化に最も弱いトゲサンゴ・・・
褐虫藻への依存度が高いサンゴなので、白化しやすい上に白化してしまうと短期間で死んでしまいます。
ただ、このサンゴは成長が早く、2007年にも白化で大打撃を受けたのですが、5年ほどで完全に復活しました。
トゲサンゴ

逆に白化に強いアザミサンゴ・・・
白化してもそう簡単には死なずに、水温が下がると元の色に戻ります。 褐虫藻に対する依存度が低いのだと思われます。
しかし、、、そこに隠れ住んでいるチンヨウジウオは、、、丸見えですね(^^)
ガイドにとっては見つけやすいし、ダイバーにとっても写しやすいですが。。。チンヨウジウオにとっては一大事です。
アザミサンゴとチンヨウジウオ


成長が早いサンゴは白化しやすく、遅いサンゴは白化しにくい傾向があります。
興味深いことに、これはオニヒトデの食害と全く同じで、 成長が遅いハマサンゴの仲間やアザミサンゴの仲間は、白化しにくい上にオニヒトデも好んで食べません。 逆に成長が早いミドリイシの仲間やトゲサンゴの仲間は白化しやすく、オニヒトデも好んで食べます。 「成長が遅い上に白化やオニヒトデに弱いサンゴ」は、大昔に絶滅しているのでしょうね。 適者生存の原則の下、自然はよく出来ていますね。

また、同じサンゴでも白化しやすい群体、しにくい群体があります。
(※サンゴは小動物の集まりなので、1つのサンゴは個体ではなく群体になります)
これは褐虫藻が高水温に「強い・弱い」ということに原因があるのではなく、サンゴに側に原因があることが言えると思います。
すぐ隣りにある同じ種類のサンゴでも、白化してしまうものや白化せずに耐えるものもあります。
サンゴ白化


ちなみにイソギンチャクはかなり白化には強く、白化によって死んでしまうことはほとんどありません。
なので、私達ガイドもあまり心を痛めること無く「キレイですね〜」なんて言っていられます。
確かに僅かに褐虫藻が残った状態の色は本当に綺麗なので、フォト派ダイバーには大人気です。
トゲサンゴ

ダイビングの仕事を始めて25年、、、長い地球の歴史から考えると、自分が見られるほんの数十年の間の変化は。良い意味で“ほんの一部分&一時期しか見ていない”と思うようになってきました。 台所で使う洗剤や体を洗う石鹸等、生活排水には気をつけなければいけないし、使うなら環境に良い物にしようと思っていますが、 あまり一喜一憂せずに落ち着いて観察することも大切なのかもしれませんね。



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