クジラと見る夢・・・。
03 01, 2018 | Posted in 1日 久米島 ・ 川本剛志
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水面に浮かぶ僕の真下、水深5メートルで逆立ちするかの様に休んでる母クジラと子クジラ・・・。
母クジラにあまえる様に母クジラの頭部に寄り添う子クジラが愛らしい・・・。
少し潜って、手を伸ばせば触れそうだけど、それは彼女達を驚かせる事になるし、
せっかく彼女達が許してくれた距離感と彼女達の安心感を台無しにしたくないから、
決して、こちらからは、その差を縮めようとしない。
(写真をクリックすると大きな画面で見られます)


そもそもザトウクジラは大きいから、撮影しているカメラからクジラの端と端まで水の
空間が出来、それが写真を青被りにする。透明度の問題や難しい部分はあるけど、
例え水深5メートルでも水中に潜って撮影すると、その青被りは更に増すし、水面近くの
方が、当然、青被りも少なく、クジラ本来の色も出るし現像もしやすい。
だから、撮影するにしても、こちらから近付きたい気持ちをグッと堪えて、彼女達から
近付いて来るのを待つ。クジラ達にも優しいし、撮影した写真も、結果、良いものになる。
浮上して来る母子クジラに、近寄る時も同じです。思いっきり突っ込んでしまえば、
母子クジラも驚くし、ある程度のアドバンテージが保たれれば、母子クジラも安心して、
先に泳いでいても、母クジラが戻って来る様な場面も往々にしてあります。
ちょっとニュアンスが難しいから、ここには書きませんが、追いかけ方や、寄り方のコツがあって、
それが綺麗にハマれば、母子クジラとの良い関係が作れていくのです。


![28504574_1873103796095759_1763243057_o[1]](https://blog-imgs-120-origin.fc2.com/s/e/k/sekainoumi/20180228151926febs.jpg)
(水中写真家・古見きゅう氏撮影)
そんな今までの経験を思い出しながら、休んでいる彼女達を驚かさない様に、水面から静かに見守っていた・・・。

「ザトウクジラ日記・番外編・・・・」
「クジラの海に銃声が鳴り響く・・・」
米軍ヘリの爆音が轟き、機銃掃射が鳴り響く・・・。
元スタッフの伸やヘルプの元スタッフマサを伴ってザトウクジラの海に出た。
南風だったので、久米島の南側の海は探さず、御願崎灯台の先のシュガマーの根から探し始めた。
3頭のヒートランを見て、渡名喜島方面に船を走らせる。今日は、シュガマーより
渡名喜島方面の方が多そうだ。
ブリーチングから始まった宴は、テールスラップやペダンクルスラップやヒートランと、
ゲストの笑顔を溢れさせてくれた。ひと段落したところで、渡名喜島南から北西方面へ。
ゆったりとした3頭がいたので、皆んなでクジラスイムを楽しんでいたところ、
ボート上空に米軍ヘリが2機通った・・・。
入砂島・・・、渡名喜島北西2キロに浮かぶリーフに囲まれた海岸線2キロほどの無人島・・・、
そして、米軍の実弾演習場・・・。
ヘリの轟音が鳴り響き、機銃掃射の水飛沫が激しく高く飛び散る・・・。
そこに生息する生物がいるという概念の欠片もなく、容赦なく撃ち続けられる凶弾・・・。
もし、自分の身がそこに晒されたらと思うと恐怖で身がすくむ・・・。
ザトウクジラの海に突然舞い降りた悪夢・・・。
虚しくて、やるせなくて泣けてきた・・・。
クジラを狙っている訳でもないし、リーフの外海を狙って撃っている訳でもないけど、
その狙われた島や内海には、たくさんの生命の息吹が在る・・・。
海は生命を殺す凶弾を撃ち堕とすところでは断じてない・・・。
クジラ達が水中で微睡み、笑顔が溢れるボート上の3キロ先で起きていた恐ろしい現実・・・。
平和の隣合わせに在る脅威・・・、人間とは、何という生き物なのだろう・・・。

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![2015123122491107bs[1]](https://blog-imgs-120-origin.fc2.com/s/e/k/sekainoumi/20180228134546492.jpg)
