ドロメに迫る!の巻

03 18, 2018 | Posted in 18日 鹿児島・松田康司

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鹿児島県本土の海より皆様おやっとさぁ〜(お疲れ様です)松田がお送りします。

数年前からドロメの生態が気になり産卵床がどこにあるのか、春の海藻の森をかき分け岩盤の隙間や海藻が海底に積もる様な環境を覗いて探すもどのような環境に卵を産み付けるのかおおよその想像はしているものの謎のままだったのです。

毎年のように浮遊期の幼魚だけがチョロチョロと春に出始め2月から3月上旬が生態行動のピークだと確信し、今年は闇雲に「探す」のではなく成魚の動きをよく見てエリアを絞ろうと年明けから観察を続けた結果。

オスだけが多いエリアとメスだけが多いエリアを発見したのです。
それらのエリアから産卵期になるとどちらかが相手のエリアに赴き求愛や産卵を行うだろうと思ったのです。

DSC_3661.jpg

そこで、産卵間近にもかかわらずメスはメスだけのエリアから出ようとしません。
写真の様に産卵管が飛び出し模擬産卵でもするかの様に体をクネクネさせる様な動作も見かける様になったのです。

それでもやはりオスの求愛や産卵床への誘い込みや産卵まで見る事はかないませんでした。
それが、つい先日やはりメスが多いエリアにて卵保護をするオスとハッチアウト間近の卵を見つけたのです。

DSC_4372.jpg
ご覧の様に地味でゲストに紹介しても中々喜んでいただける事は少ないのですが(笑)僕は最高に渋い魚だと思うのですよ〜それと同時になんて俺は渋いんだ!と謎の興奮と高揚感に包まれ、この時は予想だにしない長期の孤独と寒さに耐える定点観察へと誘われるのでした。


発見時の3月11日14時から15日7時までに合計約40時間に及ぶ潜水を水深1.5m水温15℃で行い観察を続けました。
ブログで全てを綴るのは難しいですが少し紹介させていただきます。
DSC_4355.jpg

オスの卵保護は昼夜問わずに新鮮な海水を卵に送るために各鰭を常時動かし続けます。
しかし、昼の動きと日暮れ以降(夜)の動きは明確に異なり寝ぼけながらも鰭をハタハタと動かすのです。

ヤドカリや貝など卵を食べようと近づく存在もあり卵の世話と保護にオスは追われるわけです。
そして、発見時から48時間以内に孵化に至るとの読みが外れ、さらに数日延びた大きな要因は私の経験不足もさることながら低水温があったのです。
その分オスは長期にわたり卵の保護をしていることもわかりました。(おそらく2〜3週)
DSC_44231.jpg

ハッチアウトのタイミングもいつなのか全くわからないので、今回の様に絶え間なく潜る事になったわけですが・・・・・・
昼間に自然光の下で観察していてもポロポロと出て行く事もあります。
(※必要な場合はFIX NEO 1%~3% 夜間は赤色光1%にて観察)
午後からの観察で見ている限り100匹、午前中は20匹程と差もありました。

これらの事から午後!!しかも夜は寝る事も分かってきていたので!!!ズバリ〜夕暮れが彼らの一斉に孵化する瞬間だろうと予測したのです。
最終日となる日、午前2時にエントリー1時間の観察を終え「やはり寝ているオス」を確認。
次に午前5時に日の出1時間以上前にエントリー・・・・・・・・エントリーした瞬間目の前にチラチラと仔魚達が〜〜〜声にならない悲鳴をあげながら巣穴を覗くと!!!!
9割8分の卵がハッチアウト済み(号泣)朝だったんかぁぁい〜〜

ドロメのハッチアウトは3時〜5時の間が濃厚!という事が今回の最低限にして最高の収穫となりました。
また、卵の成長過程も数時間ごとに撮影し見比べる事で迫る孵化の時間もより正確に判明しそうです。
※もちろん上記の時間の限りではなく、今回の観察を通して成熟した卵から順次孵化する様な場面も多々見られましたので保護するオスのさじ加減もあるかもしれません。
この様な積み重ねで様々な生態は明らかにされていくものと思いますが・・・・・・悔しい!!!一斉に飛び出す仔魚とヨボヨボになりながら見送るオスを一緒に撮りたかったし見たかった。
DSC_44511 2

ちょっぴり朝日が眩しくて目から塩っぱい汗が(号泣)
錦江湾に浮く沖小島と朝日に浮かぶ三日月。

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