地味な、華
04 28, 2018 | Posted in 28日 沖縄本島/中部 ・ 津波古 健
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ハイサ~イ!皆様
沖縄本島から津波古です。
今回は、地味だが魅力的な 『謎』 を持つ
まだ、名も無い・・小さなハゼの紹介です。
事の発端は、昨年末に届いた
常連ゲスト 『Kさん』 からの一通のお問い合わせメール!
「こんな、シーン。。見た事アル??」
「ホントに、こんな(事する)ハゼ・・居るの??」
アルなら、イルなら、是非とも 『観察したいです!!』 と。
添付された写真には
貝殻に産み付けてある卵を、守ってるハゼ・・を取り巻いて
放射状の溝が、四方八方に広がっている。。写真、が!
~~某SNSに上がっていたとの事~~
~イメージ~

(※・・この写真は後日、私が沖縄本島で撮影したものです)
Kさんに、詳細を確認すると
撮影地は西表島で、著名なガイド『笠井さん』の記事だった、との事。
そのSNSでは「ハゼの造るミステリーサークルか?」 的な話題になっていた!との事。
!!!
たしかに!見ようによっては、あの、ミステリーサークルで話題になった
アマミホシゾラフグの作る産卵床を彷彿するような。。!
でも、穿った見方をすれば、誰かしらのいたずら?? にも思えるような。。!!
???
実際、過去に・・
僕も地味なハゼが貝殻や枯葉などに卵を産み付け
守ってる姿は、何度か見た事はある!・・のですが。。
その周辺に、このような溝を見た記憶は無い。。し
そんな、ハナシ。。見聞きした事も無いなぁ~~、と。。。
『種は?』 と言われても、あまりにも似た地味ハゼが図鑑に多く載っていて
『名称すら解らない。。』・・ 旨、返信しました。
しかし!
普段から、生物の繁殖活動、『生き物の生死』に強く惹かれ
その観察・撮影を一番の潜水目的にしてる kさん には
そのハゼの写真が、強烈に心に焼き付き、妄想が止まらない!!との内容だし。
こちらとしては
「ま、沖縄本島でも見られるかもしれない(?)し今後、気にして捜索し
案内出来るよう、準備しておきますよ!」と、返してはいた・・ものの。。
その・・発見には、いたらぬまま・・
本州で桜が咲き誇る頃
Kさんが来沖、ダイビング。
(その時は二人共ハゼのハナシは、それほど強く意識してない状態で)
ナニか面白いモノないかな~~、とフツーに散策していると。。。。
あッ!!!! んッ!! おッ!!?

お~~~~~~~~、あった!!!!
本当に偶然に
でも、まるで 神様からのお導きのように!!(笑)
卵保護をしているハゼを中心に放射状の溝が形成されてる状態を発見!!
「本当にあるんだね」 「凄いね~~~」 「“偽造”ぢゃなかったんですね~~。」
なんて冗談、言いながらも、その出逢いに大興奮。
しかし、ながら!!
「「見れた~~!ヨカッタ~~、撮った~~。」
では、終わらない、Kさんの探究心、観察意欲、妄想力。
「なんで、出来るの?」 「どうやって、造るの?」 「産卵床?」
「やっぱ、アマミホシゾラフグと同じような??」 「・・※△゚∮゚゚♯∵・・」
興奮は増すばかり!
まッ・・・待て、まてッ。。待ってよ! 待ちなさい!!!
「オレも今日、初めて見るんですから!!!(解らんよ!笑)」ってなモンで
それから、Kさん滞在中、全てのダイビングは、このハゼの観察に費やしました。
すると、いろいろ見えてきまして!
其処らじゅうに!!
放射状の溝に囲まれた中心に卵保護をしている
ハゼの姿を、たくさん確認する事が出来たのです。
探せば、探すほど出てくる!!

もう、こうなると
卵保護中のハゼを取り囲む溝は、ハゼの繁殖行動と、必然の関係にある!!!
と、確信はできる! ものの。。
肝心の、『その溝を造るようなシーン』は確認できず。。でして。
そして、更なる観察を続けていると、さらに頭を悩ませる光景が
卵保護をしているハゼの周りに
『必ずしも溝がある』 ワケでは無い!!と言う事実も 『発見!』

しかも、よくよく観ると、その割合は半々くらいだ、ぞ!と。
ん??どういう事??
繁殖活動と溝の関連性は??
そもそも、溝アリのハゼと溝ナシのハゼは「同種なの??」
結局、Kさんの滞在中には
謎が謎を呼ぶだけで、何も解決しませんでした。。
そんな中、ネット検索してると
面白い記事も発見!!なんとガイド会仲間で
現在は古田くんトコに所属している伸くんが記事を上げているのも発見!
さすが、ヤル男やね~~~。
ただ・・・、伸くんもこの溝の解明は出来てない内容。
よっしゃ、オレがやったる!!
と、謎の解明をすべく
片っ端から写真を撮り、いつもご教示頂いてる瀬能先生に大量に写真を送りつけたり!
(“溝の有無” に関わらず、送ったハゼの写真はひとまず、全て同種と同定されました)
『トンガリハゼ属の一種 (Oplopomops sp.)』

時間帯を変えて潜ってたり、(その際、産卵の瞬間を捉える事は出来ました)
定点で、数個体の行動を追って、みたりしましたが。。

まったく、『放射状の溝』の造形の不思議(造形過程・必要性)
が、解らないままでいました。

そして、沖縄本島で
デイゴの花が咲きだした頃。。。
なんと、魚類生態学の権威
川瀬先生と、このハゼの、あの溝の関係性を調査する事になったのです!!
長くなりましたんで。。
その続きはこちら ↓ でお楽しみください(笑)
https://sensuianna.exblog.jp/28268458/

津波古 健 TSUHAKO TAKERU
ガイド会HPプロフィール
潜水案内 ~Okinawa~ HP
島んちゅガイドの『ダイビング日誌』
沖縄本島から津波古です。
今回は、地味だが魅力的な 『謎』 を持つ
まだ、名も無い・・小さなハゼの紹介です。
事の発端は、昨年末に届いた
常連ゲスト 『Kさん』 からの一通のお問い合わせメール!
「こんな、シーン。。見た事アル??」
「ホントに、こんな(事する)ハゼ・・居るの??」
アルなら、イルなら、是非とも 『観察したいです!!』 と。
添付された写真には
貝殻に産み付けてある卵を、守ってるハゼ・・を取り巻いて
放射状の溝が、四方八方に広がっている。。写真、が!
~~某SNSに上がっていたとの事~~
~イメージ~

(※・・この写真は後日、私が沖縄本島で撮影したものです)
Kさんに、詳細を確認すると
撮影地は西表島で、著名なガイド『笠井さん』の記事だった、との事。
そのSNSでは「ハゼの造るミステリーサークルか?」 的な話題になっていた!との事。
!!!
たしかに!見ようによっては、あの、ミステリーサークルで話題になった
アマミホシゾラフグの作る産卵床を彷彿するような。。!
でも、穿った見方をすれば、誰かしらのいたずら?? にも思えるような。。!!
???
実際、過去に・・
僕も地味なハゼが貝殻や枯葉などに卵を産み付け
守ってる姿は、何度か見た事はある!・・のですが。。
その周辺に、このような溝を見た記憶は無い。。し
そんな、ハナシ。。見聞きした事も無いなぁ~~、と。。。
『種は?』 と言われても、あまりにも似た地味ハゼが図鑑に多く載っていて
『名称すら解らない。。』・・ 旨、返信しました。
しかし!
普段から、生物の繁殖活動、『生き物の生死』に強く惹かれ
その観察・撮影を一番の潜水目的にしてる kさん には
そのハゼの写真が、強烈に心に焼き付き、妄想が止まらない!!との内容だし。
こちらとしては
「ま、沖縄本島でも見られるかもしれない(?)し今後、気にして捜索し
案内出来るよう、準備しておきますよ!」と、返してはいた・・ものの。。
その・・発見には、いたらぬまま・・
本州で桜が咲き誇る頃
Kさんが来沖、ダイビング。
(その時は二人共ハゼのハナシは、それほど強く意識してない状態で)
ナニか面白いモノないかな~~、とフツーに散策していると。。。。
あッ!!!! んッ!! おッ!!?

お~~~~~~~~、あった!!!!
本当に偶然に
でも、まるで 神様からのお導きのように!!(笑)
卵保護をしているハゼを中心に放射状の溝が形成されてる状態を発見!!
「本当にあるんだね」 「凄いね~~~」 「“偽造”ぢゃなかったんですね~~。」
なんて冗談、言いながらも、その出逢いに大興奮。
しかし、ながら!!
「「見れた~~!ヨカッタ~~、撮った~~。」
では、終わらない、Kさんの探究心、観察意欲、妄想力。
「なんで、出来るの?」 「どうやって、造るの?」 「産卵床?」
「やっぱ、アマミホシゾラフグと同じような??」 「・・※△゚∮゚゚♯∵・・」
興奮は増すばかり!
まッ・・・待て、まてッ。。待ってよ! 待ちなさい!!!
「オレも今日、初めて見るんですから!!!(解らんよ!笑)」ってなモンで
それから、Kさん滞在中、全てのダイビングは、このハゼの観察に費やしました。
すると、いろいろ見えてきまして!
其処らじゅうに!!
放射状の溝に囲まれた中心に卵保護をしている
ハゼの姿を、たくさん確認する事が出来たのです。
探せば、探すほど出てくる!!

もう、こうなると
卵保護中のハゼを取り囲む溝は、ハゼの繁殖行動と、必然の関係にある!!!
と、確信はできる! ものの。。
肝心の、『その溝を造るようなシーン』は確認できず。。でして。
そして、更なる観察を続けていると、さらに頭を悩ませる光景が
卵保護をしているハゼの周りに
『必ずしも溝がある』 ワケでは無い!!と言う事実も 『発見!』

しかも、よくよく観ると、その割合は半々くらいだ、ぞ!と。
ん??どういう事??
繁殖活動と溝の関連性は??
そもそも、溝アリのハゼと溝ナシのハゼは「同種なの??」
結局、Kさんの滞在中には
謎が謎を呼ぶだけで、何も解決しませんでした。。
そんな中、ネット検索してると
面白い記事も発見!!なんとガイド会仲間で
現在は古田くんトコに所属している伸くんが記事を上げているのも発見!
さすが、ヤル男やね~~~。
ただ・・・、伸くんもこの溝の解明は出来てない内容。
よっしゃ、オレがやったる!!
と、謎の解明をすべく
片っ端から写真を撮り、いつもご教示頂いてる瀬能先生に大量に写真を送りつけたり!
(“溝の有無” に関わらず、送ったハゼの写真はひとまず、全て同種と同定されました)
『トンガリハゼ属の一種 (Oplopomops sp.)』

時間帯を変えて潜ってたり、(その際、産卵の瞬間を捉える事は出来ました)
定点で、数個体の行動を追って、みたりしましたが。。

まったく、『放射状の溝』の造形の不思議(造形過程・必要性)
が、解らないままでいました。

そして、沖縄本島で
デイゴの花が咲きだした頃。。。
なんと、魚類生態学の権威
川瀬先生と、このハゼの、あの溝の関係性を調査する事になったのです!!
長くなりましたんで。。
その続きはこちら ↓ でお楽しみください(笑)
https://sensuianna.exblog.jp/28268458/

津波古 健 TSUHAKO TAKERU
ガイド会HPプロフィール
潜水案内 ~Okinawa~ HP
島んちゅガイドの『ダイビング日誌』