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別れの辛さ・・

11 03, 2010 | Posted in 出羽慎一

2 Comments
皆様こんばんは。

先日、2本目をエキジットした時に、かごしま水族館の元先輩から電話が入りました。

錦江湾の湾奥部で、死んだイルカのまわりにイルカの群れが集まっているとの情報で、現場に職員が行っているのだけれど、岸からでは詳細が分からないので、船を廻して欲しいとの連絡でした。
午後遅く、日もだいぶ傾いていたので、ボートを全速で飛ばして現場に向かいました。

元同僚を浜辺でピックアップし、現場に向かうと、水面にはまだ新しいイルカの死体が浮かんでいました。側には3頭のイルカが寄り添うように泳いでいます。
100mほど離れたところには30頭ほどのイルカの群れ。

潮流も無いのに、死んだイルカは、北にどんどん移動して行きます。
なんと、一頭のイルカが、死体を持ち上げるようにして運んでいるのです。
前方には群れがいます。
まるで、死んだ仲間を群れに連れ戻そうとしているようです。
ボートを少しでも近付けると、スピードを上げて、離れていきます。
時には、死体の上に乗りあがり、沈めようとしているようにも見えます。
仲間の死を認識できないのでしょうか。それとも受け入れられないのでしょうか・・。
心を打たれる情景でした・・。

死体の性別を確認するため、船をすぐ近くに寄せた時にには、死体と船の僅かな隙間に、一頭のイルカが飛び込んできて、死体を突き飛ばすようにして、ボートから離そうとします。

その後は、しばらく離れて見ていましたが、日も暮れかけてきたのでその場を後にしました。

翌日、昨日見た光景がいつまでも心から離れず気になっていたので、夕方ダイビング終了後、かごしま水族館に、その後の情報が無いか聞きました。
すると、なんと錦江湾を横断して、昨日の場所から7kmも離れたところにいるらしいことが分かりました。
また、急いで船を走らせました。
程なく彼らは見つかりました。
死体は無残に表皮が剥がれ、血液も流れ、辺りには腐敗臭が漂っていました。
しかし、二頭のイルカが死体に付き添っていました。
一頭は、死体の頭部にピッタリと寄り添い、もう一頭は付近を付かず離れず泳いでいました。
ちょうど港の前に位置していたため、出入りする船がすぐ側を通ります。
船が近づくたびに、二頭のイルカは死体を体に乗せ、船から遠ざけようとします。
夕日の中で、寄り添うイルカが時折顔を出します。
擬人化するのはどうかとも思いますが、こころなしか、その表情は悲しみにくれているようにも見えました・・。

三日目、死体は8kmほど南下した桜島西岸に流れているとの情報を得ました。
向かうと、死体は、さらに腐敗が進んでいます。
やはり二頭のイルカが近くにいます。
うち一頭はやはり寄り添っていますが、昨日までよりも少し距離を置いているようにも見えます。
1分ほど寄り添っては、2分ほど離れるということを繰り返しています。
もう一頭は、死体の側にはあまり近づかず、10mほど離れたところで浮き沈みしています。
何か、二頭にもあきらめの様な気配が感じられます。
桜島港に近く、船の往来もとても多い場所です。漁船やプレジャーボートが死体に気付かずに至近距離を高速で走り抜けていきます。
その度にイルカは死体を動かそうとするので、船に轢かれそうで、見ているこちらがハラハラします。

その後、2時間ほどその場を離れ、また現場に戻ってみると、死体が見当たりません。30分ほど辺りを走り回って探していると、西風に吹き寄せられたのか、近くの海岸の波打ち際に死体が揺られているのが見つかりました。

付近には、もう二頭はいませんでした。
3日間、死んだ仲間の死体に寄り添った二頭のミナミハンドウイルカ。
餌を獲ることもできなかったでしょう。
死んだ個体とはどんな間柄だったのでしょうか・・。

20101017イルカ 1140

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2 Comments
riki
11 28, 2010
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群れは仲間、
寄り添っていたのはおそらく家族でしょうね。
いろいろ考えさせられました。

11 03, 2010
URL [ edit ]
涙なくしては読めませんでした。
仲間?家族?への二頭のイルカの優しさがとても伝わりました(涙)
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